最近は朝食抜きダイエットなどの影響で、朝ごはんを意識的に抜く方が増えつつあります。また厚生労働省の調査では20代~30代の世代が最も朝食抜きの生活を送っていることがわかっています。

おそらく多くの方は小さなうちから「朝ごはんはしっかり食べましょう」と言われて、育ってきたはずです。しかし、近年は朝食を抜くことを推奨する声も多くなっています。

朝食抜きの食生活は私たち人間にどのような影響をもたらすのでしょうか?今回は朝食抜きのメリット、デメリットをまとめましたので解説します。

朝食抜きのメリット

〜摂取カロリーを減らせる〜

冒頭でもお伝えしたように近年は朝食抜きダイエットが流行っていますが、朝食を抜くことで単純に1日の摂取カロリーを減らせることができます。

この影響により、効率的に体重を落とすことができるというのが朝食抜きダイエットの考え方というわけですね。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で公開されている1日の推定エネルギー必要量は以下のとおりです。

【1日の推定エネルギー必要量(kcal/日)】

年齢男性女性
18歳~29歳2,300kcal~3,050kcal1,650kcal~2,200kcal
30歳~49歳2,300kcal~3,050kcal1,750kcal~2,300kcal
日本人の食事摂取基準(2015年版)より

早稲田大学の桶口満教授らが行った研究では、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると体脂肪、体重の増加などに影響を及ぼすことがわかっています。

このような理由から朝食抜きの食生活は正しく実践することで、肥満防止や脂肪燃焼効果を得られる可能性があります。

〜内臓を休ませることができる〜

暴飲暴食をすると疲労感や胃もたれ、肌荒れといった症状が出ることがありませんか。これは胃、腸などの消化器官や肝臓といった内臓の疲れが原因となっている可能性があります。

1日3回の食事をガッツリと食べる方やお酒をよく飲むといった方の消化器官、肝臓は常にフル稼働の状態であり、非常に疲れやすいという特徴があります。この内臓疲労の影響により、前述の疲労感などの症状が現れるようになります。

内臓の酷使により、疲労感を覚える理由ですが、消化吸収能力の変化が挙げられます。内臓疲労に陥ると口から摂取した食べ物を消化吸収する機能が低下し、栄養不足になります。その結果、体はエネルギー不足の状態となり、疲労感を覚えるようになります。

体がエネルギー不足に陥ると自律神経の乱れも引き起こすため、イライラなどの気分の不調を招くこともあります。朝食抜きの生活はこのような内臓疲労による弊害を防いでくれる可能性があります。

前日の夕食から翌日の昼食までは胃や腸に負担のかかる食べ物、飲み物が入ってこないため、内臓もゆっくりと休むことができ、正常な機能を維持しやすくなるという考え方ですね。

朝食抜きのデメリット

〜集中力や記憶力の低下〜

朝食を抜くことで、脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足するため、集中力や記憶力の低下につながります。ブドウ糖は脂溶性のビタミンAやビタミンDと違って、体内に貯蓄しておくことができません。

したがって朝食を抜くことで脳にエネルギーが供給されないため、イライラや勉強、仕事がはかどらないといった弊害を招きやすくなります。ちなみに農林水産省でも朝食はしっかりと食べることを推奨しています。

〜血糖値の急変動が起きやすくなる〜

朝食抜きの生活を行うと血糖値が下がり始めるため、体内では血糖値を上げる働きをするインスリン拮抗ホルモンの分泌量が増えます。

このように私たち人間の体は血糖値が下がり始めたら、自然に血糖値が高まるようになっていますが、朝食抜きの弊害はここにあります。

朝食を抜いた場合、昼食を食べる頃にはインスリン拮抗ホルモンによって血糖値が上昇しやすくなっています。つまりこのタイミングで昼食を食べてしまうと、血糖値が通常よりも高くなるということです。

昼食によって急上昇した血糖値を下げるために、インスリンが大量に分泌され、血糖値を下げようとします。

しかし、今度は大量のインスリンによって血糖値が急激に下がり、その結果としてまた大量のインスリン拮抗ホルモンが分泌されるという悪循環に陥りやすくなってしまいます。

このような血糖値の急上昇、急降下は体への負担も非常に大きく、何より肥満になりやすいです。

〜筋肉量の減少〜

朝食抜きによって脳にブドウ糖を送ることができないようになると、まず肝臓で蓄えられたグリコーゲンが使われるようになります。そしてこのグリコーゲンが枯渇(欠乏)すると、次に筋肉のエネルギーが使われていきます。

つまり朝食抜きは一歩間違うと筋肉量の減少につながり、さまざまな弊害を引き起こすということです。

筋肉量の減少に伴うデメリットとしては基礎代謝の低下、運動能力の低下などが挙げられます。筋肉はじっとしていても消費される基礎代謝の約2割を占めています。

やっぱり朝食は食べたほうがいい!

今回は朝食抜きのメリット、デメリットなどを解説してきました。近年は朝食抜きダイエットや置き換えダイエットなどの影響で、以前よりも朝食を抜く食生活が推奨されつつあります。

しかし、体や心の健康を考えると、やはり朝食はしっかり摂取すべきという声が圧倒的に多いのも事実です。したがって朝食に関しては、よほどの事情がない限りは摂取することをおすすめします。

「朝食を作る時間がない」「朝はどうしても食べられない」という方もコップ1杯の水分補給やブドウ糖などを手軽に摂取できる食べ物を活用するといった工夫を施してみましょう。